感想の前に
それぞれのアプリは、無料あるいは極めて安価に提供されています。これだけの機能のものを手軽に利用させて頂けるのですから、それぞれの開発元には感謝しかありません。そのうえで感想を記します。
先にあげた6つの地図アプリについて、以下に感想を記します。
2023.04.26 地図アプリ機能が固まってきた。
地図アプリの基本機能は、当初、山旅ロガーGOLDとジオグラフィカが大きく先行していましたが、最近、他の地図アプリでも、この2つの地図アプリが当初から装備していた(このホームページを開設した2017年には既に装備されていました)ナビ機能(逸脱・離脱監視)やメモ機能(ブックマーク、マーカー)に類似する機能が提供されてきました。これは、いかに、この2つのアプリの先見性が高かったかを証明するものです。
これ迄は、機能的に遅れていた地図アプリは、先行する地図アプリの機能を研究し、自身の地図アプリにフィットさせてくればよかったのですが、これからは、そうはいかなくなります。
これからは、さらに使いやすくするために、さらに登山者の安全性を高めるために、どのような機能を装備するかにかかっているように思えます。このため、これまではバッテリーの関係から機内モードでの利用が勧められてきましたが、通信が重要なキーになりそうです。
そして、Google MAPへの登山道追加発表も黒船来襲のような影響がありそうに思います。
何れにしろ利用者にとってはありがたいことばかりですが、かといって、機能ばかりが増えると日本の家電の二の舞に陥りかねません。しかも都合の悪いことに機能の分かり易さは利用者のスキルに依存します。利用者のスキルに応じたメニューが必要になってくるように思います。
これまで、地図ロイドと山旅ロガーGOLDの二重構造は不利であると思っていましたが、これは、これでひとつの解決法なのではないかとも思えてきました。現在でも、そのようになっていると思いますが、ナビゲーションを受けながら登山する人は「山旅ロガーGOLD」を、現在地と方位さえわかればいい登山者は「地図ロイド」を使うという利用法です。
地図アプリを開発されている人々は実に大変だと思いますが、利用者は楽しみです。
2023.10.01 地図アプリ機能の新しい機能「アクセシビリティ向上」
登山用の地図アプリの機能は、ほぼ、固まってきたと思っていたら、9月22日にヤマレコアプリが「色覚異常の方に対応した画面」というのを提供してきた。開発者には頭がさがります。
「スーパー地形」
スーパー地形は「丁寧に作られた地図アプリ」です。マニュアル、地図の体系、操作の全てが良く整理されています。
そして、アプリの機能は豊富です。マニュアルも丁寧に書かれていますので、よく読めばわかります。しかし、機能の多い分、読まなければならないマニュアルの量も増えます。IT初心者に好まれるとは言い難い地図アプリです。
山で「スーパー地形」を使う上で素晴らしいのは「地図のダウンロードに制限がない」ことです。地図は日本全図がブロック化されているので、そのブロックを選ぶだけでダウンロードできます。ダウンロード済は紫、未ダウンロードはピンクで表されています。
キャッシュ機能も備えていますから、地図のダウンロード機能で不足するものはありません。
ヤマレコアプリは予定ルートと地図という提供方式以外にも、同様のブロックでも提供していますが、最大2つまでです。
山旅ロガーGOLDとジオグラフィカの一括ダウンロードは利用者が領域を設定する必要がありますので、このように簡単にはいきません。
YAMAPアプリは山単位に月に2つまでです。
地図のダウンロード機能は、「スーパー地形」が群を抜いています。
スーパー地形は、登山専用ではなく、自転車愛好家、街道歩行者、さらにはパラグライダーやハンググライダー愛好者およびドローンまでもが利用できます。地図があるところの海上・陸上・空中は使えるようです。
とても利用範囲が広いので、自然と高機能となり、機能の多さがマニュアルの厚さとなり、結果として難しさを感じさせる地図アプリとなってしまっているように思います。
ジオグラフィカのインターバルスピーチでは「もうすぐお昼です。今日は何をたべますか?」といったことを言ってくれます。私は単独で行動することも多いので、このようなスピーチには思わずほっこりします。スーパー地形では、そのような言い回しはありません。尤も、この点は他の地図アプリも同様で、ジオグラフィカが異色です。
予定したトラックから外れると「56メートル離れました」などと音声案内します。GPSってそんなに正確じゃないだろうなどと思ってそのまま歩くと「72メートル離れました」と相変わらず細かな距離を案内します。最初は違和感がありましたが、離れているということが明確になりますので分かり易いと感じるようになりました。
スーパー地形の売りでもある「パノラマ展望図」は、オンライン状態で展望図が描かれますので、電波の届かないところでパノラマ展望図を表示させようとしてもできません。あらかじめ、電波の届く所で展望図を作成しておき退避し、その場所についたら開くという操作が必要になります。突然、この場所で見える山を確認したいといった利用には適していません。Peak Finder は、電波の届かないところでもパノラマ展望図を表示してくれますので、私は、もっぱら、そちらを利用しています。
予定ルート(スーパー地形ではトラック)の作成機能を除けば、とても素晴らしい地図アプリです。
しかし、ヤマレコやYAMAPに記録をアップするのであれば、それぞれのアプリが便利ではあります。
「山旅ロガーGOLD」・「ジオグラフィカ」
初めてのルートのときは、ヤマレコなどから先人たちのGPXデータをダウンロードし、これを道案内として利用させて頂いています。私のよく出かける鈴鹿山系は、国土地理院の地形図には表示されていない尾根道や谷道が沢山あります。そのようなときに、これらのアプリに装備されているルートからの離脱・逸脱時のアラームは、とても頼りになります。この機能は、案内板が不足していたり、踏み跡が薄くなったりしている地方の山々に登る人には必須の機能と思います。
このルートを離れたときの警報機能を活かすには、ほんの少しのIT知識が必要となります。この、ほんの少しのIT知識を克服できずに、これらのアプリを有効に使えていない利用者も多いように感じます。このようなIT初心者のために各アプリの活用法をまとめましたので、以下を参照ください。
※ IT初心者向け説明書 (各地図アプリの資料をEXCELとPDFで用意しています)
※ 画面遷移ごとに説明しています。このため、IT初心者以外にはくどいと思われる内容になっています。
「山旅ロガーGOLD」と「ジオグラフィカ」は、地図をダウンロードしていない場所では、真っ白な画面上にGPSのログを表示します。地図がなくても、GPSのログを表示してくれるので最悪でも元の場所には戻ることが可能となります。
ジオグラフィカは、該当レベルの地図がダウンロードされていなかった場合、その上位のレベルの地図がダウンロードされていれば、それを代用して表示します。なんとしても利用者を救いたいという、開発者の執念を感じます。
また、「山旅ロガーGOLD」と「ジオグラフィカ」は、それぞれのアプリでダウンロードされた地図は、それぞれのアプリで全体をひとつの地図として管理しているものと思います。アプリを起動してGPSで現在地を検出すると、その地域の地図を開いてくれますし、どんなに長い距離の縦走であっても地図の切り替えといった操作は必要ありません。山は連続しているのですから、本来あるべき姿と思います。
さらに、全国の地図が利用可能なので自宅周辺で事前に動作確認ができます。周辺を歩いてログをとり、これをガイドにして音声案内の確認をすることもできます。
この両地図アプリの開発者は山にもよく行かれるようです。こういった趣味の分野のアプリは、それを開発し、実際に利用しているアプリが良くできています。音声ガイド、離脱監視、地図のキャッシュなど、機能が洗練されています。
2018.04.29 山旅ロガーGOLDでヤマレコの「みんなの足跡」付きの地形図を表示することができることを知りました。
※michael3さんのヤマレコの記事を参照ください。https://www.yamareco.com/modules/diary/138224-detail-152679
このアプリは使い方を知れば、もっともっと便利になりそうです。ベースとなる地図ロイドは、ダウンロード数も群を抜いており、しかも動作OSのバージョンは1.6以上とあります。開発者の技術の高さが伺えます。尤も、このアプリは、それを表現するためのものという側面も持ち合わせているようにも思えます。
2018.06.30 地図のキャッシュ機能について
この二つの地図アプリには、地図のキャッシュ機能というものがあります。地図アプリを使い始めた当初は、「これから登る山域の全ての地図が準備されていないと不安である。従って、ダウンロードされている地図の範囲が明確にならないと、とても不安である。」と思っていました。私が作成した各地図アプリの説明書にも、そのような趣旨で記述しています。
しかし、何人もの先輩方に「今度行くルートを確認しながらスマホで地図を見るんだから、一括はいらないよ」と言われてきました。最初は、ピンと来ませんでしたが、山行を重ねるうちに、その意味が理解できてきました。
広範囲の地図を、一括でダウンロードすると何千枚もの単位になることがありますが、登山道周辺のキャッシュだと、多くても何十枚の単位で済みます。
なによりも、キャッシュを使う人は、重要なポイントは細かく、そうでないところは粗くと、実際に、その山へ登ることを想定し、かつ地形をイメージしながら地図を見ており、結果として地図をキャッシュしています。
「実際に山へ登る経験豊富な利用者はキャッシュを使い、あまり山に登っていない山の初心者は一括で広い範囲をダウンロードする。」という傾向なのではないかと思います。私の場合は、一括で地図をダウンロードしてしまうとダウンロードしたことに安心してしまい、実際に歩くところをよく見ていなかったということが、今でもよくあります。未熟者です。
以前、ジオグラフィカの開発者である松本氏と要望の件で、メールのやりとりさせていただくことがありました。私が「一括ダウンロードが正常に終了しなかった地図はいらない。むしろ中途半端な地図があることが利用者を惑わせる」と言いましたら、松本氏は「地図データのダウンロードが正常に終了していなくても、ダウンロードできていた部分の地図で救われることもありうるので、ダウンロードしてあるものは表示してあげたい。登山者が地図なしで放り出されるのを防ぐ。」と仰られたことを思い出します。ただ単に「正常終了かそうでないか」という次元ではありませんでした。実際に山に行って、多くの経験をした上で地図アプリを開発している方の意見というのは、こういうものなんだと思い知らされました。凄いです。
2019.01.14 山旅ロガーGOLDのルート逆走監視について
ジオグラフィカもヤマレコアプリも、予定されたルート(登録されたGPXデータ)から離れると警告をしてくれます。しかし、同じルート上を逆走しても警告しません。山旅ロガーGOLDはこれを逆走すると警告してくれます。逆走も間違いでルートから離脱しているのだから当然といえば当然の機能です。ただ、意識して逆走している場合や複数のGPXデータを歩く場合などで、これが邪魔という場合もありますから、これを警告しないモードも装備されています。
初心者にとって、登るのはいいけど降りるのは難しい。逆走すると危険なコースというのは数多く存在しますから、重要な機能と思います。
2022.03.27 どれだけ使い込まれているか
私は、音声案内を重視しています。それは、無駄なバッテリーを使わないという観点からなのですが、山旅ロガーGOLDとジオグラフィカは実際に使い込まれているということをあらためて感じています。
・山旅ロガーGOLD:音声の再生回数。ジオグラフィカ:シェイクスピーチ。
ともに、聞き逃した時への対応方法なのですが、このような機能は使い込まれていないと装備できないものです。他の地図アプリには装備されていませんし、この2つの地図アプリでは何年も前から装備されています。
私は、山旅ロガーGOLDの再生回数は2。ジオグラフィカの場合は、胸の部分のケースいれてあるスマホを叩いて音声案内を起動しています。
最近の地図アプリを使用していて改めて感じました。
「YAMAPアプリ」
2018年3月。YAMAPアプリに大きな変化がありました。それまでは、稀なケースとはいえ現在地がわからなくなるなどの不都合があり、これは本当に地図アプリなのかと思っていましたが、解決されました。
①地図は階層化され、概要から詳細までが表示されます。ルート全体から詳細までを認識できます。
それまでは、2万5千分の1の地図だけでした。
②縦走して、ダウンロードされた地図を跨ぐ場合でも、地図は連続して表示されます。地図切替の操作は不要です。
それまでは、地図の切り替えは自動的に行われず、現在地が表示されなくなってしまっていました。
③間違って、隣の地域の地図を開いても現在地の地図を表示してくれます。
それまでは、②と同じ状況になってしまっていました。
※ 現在地の地図がダウンロードされていれば、それが表示されます。ダウンロードされていなくても隣の地域のダウン
ロードの時に表示されていた粗い地図で表示されます。
・地図がダウンロードされていない場所でも緯度経度にあった現在地を表示します。
※ ダウンロードされた地図の範囲の周辺は粗く、本当に地図のないところは白い画面となりますが、現在地は常に
表示されます。
もう、現在地がわからないという状況は発生しません。他の地図アプリに比べると機能は絞られていますが、その範囲で使うのであれば、使いやすく安心できる地図アプリです。
この地図アプリに目立った欠点はなくなりました。最低限の機能を提供し8~9割程度のユーザーを満足させるというもので、商業的には、極めて合理的な地図アプリといえます。例えば、隣の山の地図を選択しても現在地表示は正しく表示されるようになりましたが、記録の山の名称は隣の山のままとなります。また、数多くの実績と現地調査に基づいて発行されている、「山と高原地図」の「ヤマプラ」と、「ヤマケイアルペンガイド」の「ヤマタイム」で作成されている予定ルートは「実績ではない」とのことからYAMAPには取り込めません。従って、YAMAPアプリにも取り込めません。(※これは、「YAMAPは実績データのみ掲載するという」株式会社ヤマップ様の考え方です。しかし、一方で、ネット上には、GPXデータを加工する等の裏技がいくつか紹介されています。)
この仕様から「この地図アプリは山に行かない人が開発しているのか?欠陥だろう?」と思わせる反面、この割り切りがYAMAPアプリの操作を簡単にしているのかとも思います。この割り切りの良さ、そして機能の単純さが、このアプリのいいところです。
また、YAMAPアプリの特徴のひとつに「ひとつの地図の範囲が狭いことと、きわめて重複が多いこと」があります。これは「設計がきちんと行われていない」ということの結果ですが、反面、「対応が速い」ということの結果でもあります。「この山の地図がない」という要望をあげれば、凄いスピードで要望を汲んでくれます(※地図リクエスト機能:2019年末に有償機能となってしまいました)。要望にスピーディに対応するというのは、とても重要なことです。この対応の速さもファンを増やしている要因だと思います。
そして、地図が狭いということはダウンロード時間が短くて済むという利点があります。極端な話、登山口へ着いてからのダウンロードも可能です(※このような姿勢がいいとは言いませんが、地図がないという状態は解消できます)。
YAMAPアプリは、機能を絞り込んだ地図アプリです。残念ながら、趣味をサポートするアプリは「それが好きな人の開発したものにはかなわない」ということを感じさせます。
2019.11.28 YAMAPアプリでのGPSログのダウンロード
11月初旬、YAMAPアプリでGPSログをダウンロードしようとしたら無料会員はできないとはねられました。初心者にとって、先人達のログはとても重要な情報である。しかも登録した人達は「あとから登る人には、登録した記録を参考にしてもらって、1件でも山の事故を減らしたい」という気持ちでいたであろうに、これを有料会員にしか提供しないという姿勢の会社というのはどのような会社なのかと疑っていた。
あらためて、本日、確認したら、同時に1つの軌跡のダウンロードは可能となっていた。さすがに非難轟々だったのだろうと伺わせる。ビジネスとして成り立たなければYAMAPを維持できないのであるから理解できないわけではないが、登山者を危険にさらすような変更は慎んで欲しいものである。
2020.01.16 やはりダウンロード不可になっていた。
何がそうさせたのか想像もできないが、やはりダウンロードができなくなっている。これは製品の問題ではなく会社の姿勢の問題である。こんな不愉快な思いをしたのは初めてだ。登山者の安全を高めるという気持ちはどこにいってしまったのだろう。
とても悲しくなるとともに憤りを感じる。
※よくよく調べると「プレミアム会員のみ利用可能」と明記されています。このような仕様に誰がしたのだろう。
2020.09.27 この仕様は元に戻っていません。
利用者からの反発を浴び、仕様をこれまでと同じようにダウンロードできるように戻しているのではないかと、ときどきチェックしているのですが、いっこうに元に戻りません。やはり、元に戻す気はないようです。
しかし、この仕様は、本当にひどいものだと思います。そもそも、活動記録は、記録した本人が、何時間も、或いは、何日もかけて歩いた記録で、そのために、多くの旅費と時間を使い、沢山の汗を流した結果です。そして、取得した情報に加え、多くのYAMAP利用者のためのコメントを付加し、それを本人が、自らの意思で手間と時間をかけて記録し、公開しているものです。中には自慢したいという記録もあるでしょう。しかし、多くは、他の利用者の安全性を高める為の情報です。その大切な情報を、わざわざ隠す(有料化する)という会社の姿勢はいかがなものかと思います。しかも、自分で登録した活動記録のGPSログでさえもダウンロードできないのです。
活動記録のGPSログに、何かプラスアルファの機能を付加したものならまだしも、これまで無料で提供してきた情報を、単純に有料化するというのは、とても行儀の悪いやり方と思います。
健全な会社の提供するWEBサイトのやることではないでしょう。ただ、YAMAPの顧客担当窓口の方は大変ご苦労されているものと察します。
2021.01.21 自分が下見に行った時や特別の場所へ行くためのGPSログが使えない。
GPSログの利用法として、「先輩諸氏の確立してくれたルートを歩きたい」という利用方法以外にも、
・過去に登った山をほかの人達に紹介するためにグループを引率して行く場合
(山は、いくら自己責任とはいえ、引率するとなると責任重大であるため、改めて下見に行く場合があります。)
・ひょんなことから貴重な植物や景観などを発見したので、毎年チェックに行きたいといった場合
などもあります。
このような場合、このときのGPSログを保存しておけば、次に行く時は、このGPSログが、とても頼りになります。ところが、YAMAPアプリでは、この時に取得したGPSログは使えません。自分で取得したデータですが、YAMAPにお金を払わないと利用できません。どのような考え方をすると、このような仕様になるのか不思議に思います。
2020.10.20 ルート作成機能とフィールドメモ機能が追加されました。
V8で登山計画の行程編集機能が追加されました。ヤマタイムやヤマプラと同様のものですが、YAMAPアプリ専用です。さらに、登山道などの情報共有機能としてフィールドメモ機能が追加されました。
フィールドメモ機能は、山旅ロガーGOLDでいうブックマーク、ジオグラフィカでいうマーカー機能に似たものです。異なるのは、メモが個人のメモではなくYAMAP利用者で共有されるという点にあります。
高山植物などの希少植物の発見場所や、合流地点、登山口、分岐点、展望の良い場所などの利用方法を考えると、全てが利用者共有というのではなく、個人或いはグループでの共有というグループ分け機能があると更に便利になるものと思います。また、常に画面を見ないと情報がわからないというのではなく、情報に近づいたらアラームを鳴らすとか、音声で知らせるなど、今後のレベルアップも期待されます。
このフィールドメモ機能により集められた情報は、数が増えてくると、とても価値が高まるものになると思います。数年で、現在の「山と高原地図」の登山道情報を超えてくる可能性を持っています。
危惧される点は2点あります。
1点目は、誰でも自由に登録できるのでメモ情報は玉石混交となり、ごみ情報が増え、重要な情報が埋もれてしまうこと。
2点目は、活動記録のGPXデータのダウンロードが有償化されたように、フィールドメモが蓄積され情報の価値が上がると同時に、これも有償化されてしまうのではないかという点です。YAMAPがしくみを提供し、利用者がせっせと情報をアップすると、いつの間にかYAMAPが有償で提供しているというビジネスモデルにならないことを祈ります。
2021.03.01 無料利用者の地図のダウンロードは同時に2つまで。そして、月に2つまでとなりました。
あからさまに有料化を求めてきました。本当にお行儀の悪いやり方です。「商品の機能を向上しました。或いは商品の性能を向上しました。」のでありません。何も変わっていないのに、単に「お金を払ってください」ということです。
これまで、マーケットを広げてきたのは商品力ではなく資金力だったということでしょう。「それなら商品力を飛躍的に高めよう」ではなく、「それなら利用者に、お金を払って貰おう」という考え方のようです。違和感を感じます。
YAMAPアプリを見ていると気持ちが沈みます。
2021.06.09 Google Playストアでの評価が地図アプリ中の最高点となりました。
2021年3月から、無料利用者の地図のダウンロード数が月に2つまでとなったのに、評価はうなぎのぼりです。普通ではないことが起きているということしか理解できません。
2021.08.20 夏山の縦走を想定したら予定ルートが書けない
新穂高から双六小屋を経由し、憧れの雲の平へと行程編集していたら、三俣山荘から先がなくなりました。ここからは、別の行程として編集しなさいということのようです。同様に鈴鹿でも縦走のルートは描けませんでした。YAMAPの提供する山の地図の範囲を越えたルートは描けないという仕様のようです。
この地図アプリの開発者は、やはり山にはいかないのだなと思ってしまいます。
2021.09.16 リアルタイム紅葉モニター
YAMAPサイトでは、今月から「リアルタイム紅葉モニター」という情報提供が開始されました。これまで、私は、個々の活動日記を参照しながら紅葉の進み具合を把握していましたが、「リアルタイム紅葉モニター」は、地図上の山を選択すると、関連する活動記録の紅葉の画像が、1日前、2日前というように、日にちごとに表示されます。個々の活動記録を見る必要はなく、紅葉の進み具合なども、とても分かり易くできています。
利用者がアップする活動記録が、多くの利用者のために有効に利用されている結果です。これまでの、どの紅葉情報サイトよりも新しくかつ正確です。このようなしくみを考えたYAMAP凄い。ありがとうございます。
2023.12.28 縦走の予定ルートは描けるようになったが・・・
縦走の予定ルートは描けるようになりました。しかし、とても残念な結果です。(YAMAP バージョン10.17.1)
縦走ルートなので複数の山域の地図が必要となりますが、地図は最初の山の地図しかダウンロードされませんでした。しかも「正常にダウンロード」されたのにです。どういうことになるかというと、途中から地図が無い状態になります。この地図アプリの開発者は「人命を左右するアプリを開発している」ということを理解していないとしか思えません。とても残念です。
この地図アプリはハイキングか短時間の日帰り登山に適しています。
「山と高原地図アプリ」
私は、山の初級者です。初めて北アルプスに行ったときは「山と高原地図アプリ」がとても頼りになりました。他の地図アプリは現在地確認と行動の記録が中心ですが、「山と高原地図アプリ」は、登山道での注意事項や山小屋情報、さらに行程の時間の目安など、山での情報が豊富に掲載されています。これらは、とても頼りになる情報でした。やはり「山と高原地図」は「頼りになる地図」です。
地域全体を眺めながら計画を立てるときなどは、紙の大きな地図が有効ですが、現地で、現在地の状況をピンポイントで知ることができるというのは実に心強くありがたいものです。
「山と高原地図」にあるルートを歩く時は、主に、このアプリを使います。
「ヤマレコアプリ」
「ヤマレコアプリ」の「みんなの足跡」はとても重要な情報です。「みんなの足跡」が太いところは多くの人が入っているのだと判断でき、地形図には表示されていない登山道を沢山見つけることができます。と同時に、誤って引き返している足跡も沢山見つけることができます。これは、低山歩きの必須アプリです。
「ヤマレコアプリ」は、ヤマレコの膨大なデータから地図と予定ルートを同時にダウンロードできます。また、ヤマプラを使って作成した予定ルートも同様にダウンロードできますので、これもとても便利です。さらに、ヤマプラ同様のらくルート機能が追加されていますので全国の山のルート作成が可能となっています。
「ヤマレコアプリ」では、何らかの方法で作成した予定ルートと実績ルートが一致するように歩けば良いので、普通に歩けるところであれば迷うことはありません。
「ヤマレコアプリ」の無料ユーザは、ユーザ登録をしても同時には2つの地図しかダウンロードできませんので、「今日は、とても天気がいいのでちょっと出掛ける」という使い方は難しくなります。私は、ヤマレコアプリの使いはじめた頃、登山口に着いたら「ヤマレコアプリ」(※当時はヤマレコMAP)には地図がなかったという経験を2度もしました。
※ これは、私が所有している山用スマホは、ドコモなどのキャリアとの契約は行っておらず、家のWi-Fiでしか地図が
ダウンロードできないという事情からきています。(※その後、格安SIMを利用するようになりました。)キャリアと契約
されているスマホなら、その場でダウンロードできます。
但し、同時に2つの地図といっても、エリアで選択すると2地域迄となりますが、縦走などの山行計画や山行記録であれば1つの山行計画や山行記録で複数地域の地図の選択が可能となりますので、これを活用すると2つの地図という制限を緩和することが可能となります。
バージョン2.8.5で地図にコースタイムが付加され、さらに、バージョン2.8.7でチェックポイントとなる地点への推定到達時刻が表示されるようになりました。
精度などでの難点はありますが、参考情報として有用な情報です。予定ルート通りに歩いたときの推定時刻は、実績時刻に書き換えられてゆきます。
バージョン3.0で音声案内機能が付加され「ルート逸脱警告」と「ガイド機能」が装備されました。
この機能は、標準で作動します。ルートを逸脱した場合の警告は地図を確認することで一時停止し、ルートに戻ると戻った旨の音声通知があり、ここから再び監視状態となります。とても親切な操作性です。
また、参考とする山行記録や山行計画は、取り込んでおけば、オフラインでも簡単に参照できるので、ヤマレコ利用者にはとても便利なアプリとなっています。
これらの機能が装備され、私の評価では最高得点となりました。この評価は「山行予定のGPXデータに従い歩く」という初心者が使う範囲でのものです。この範囲では、本当に使い易い地図アプリといえます。
山へ行くために、予定ルートを作成し、山行計画を作成し、登山届を提出し(※2019年4月より有料化)、実際の登山ではナビとして使い、GPSログを採り、帰ってきて山行記録を作成する。という一連のことを全てカバーした唯一の地図アプリではないかと思います。
私自身は、ルート作成や登山届の提出といったことはパソコンの方が便利だと思っていますが、全てスマホで行う人にとっては最高の地図アプリだといえます。
2021.03.23 ヤマレコは広告が多い。
今回、「予定ルート作成法(ヤマレコ編)」を更新するにあたり、スマホのブラウザでヤマレコを参照していたら、画面の半分が広告ということが、よくありました。いくら利用料が無料とはいえ広告が占めるスペースが広すぎます。さらには、googleの広告のためにボタンが殆ど隠れているというケースもありました。
パソコンなら画面が広いので、あまり気にならなかったのですが、スマホの画面は小さいのですから、もう少し考慮して欲しいものだと思います。
2021.08.20 GPSログのダウンロード
ヤマレコを見ていたら、お知らせがでてきました。点線で挟まれた部分はヤマレコの記事から一部を転載したものです。
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ヤマレコのWebサイトを更新し、本日より「他の登山者の軌跡を利用する機能」はプレミアムプランの方のみ利用できる機能に変更させていただきました。
具体的には
・山行記録に登録されているGPXファイルをダウンロードする。
・山行記録のルートを流用して、新たに計画を作成する。
の2点がご利用いただけなくなります。
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だそうです。早速試してみたら、確かに拒否されました。何故だ?
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ヤマレコの機能は全く使わずにGPSログをダウンロード・収集するためだけにヤマレコに登録されている方が散見されたため、上記の対応とさせていただきました。
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何だか、きな臭い話です。GPSログの不正アクセス防止というように想像できます。プレミアムにすれば、ダウンロード専門の人の住所氏名もはっきりするので、抑止力になるということなのかもしれません。
しかし、山行記録のGPSログをダウンロードして使うのは多くは初心者で、「多くの先輩方の歩かれた道を、そのまま歩きたい。」という利用の仕方です。これからはルート作成機能を使えといいますが、ヤマレコをよく利用している人ばかりではありません。たまにしか使わない一般利用者には相当の壁です。
もともと、「ルートと地図を一緒にダウンロードして、ルート逸脱機能で監視して、登山者を道迷いさせない」というのがヤマレコアプリだったと思います。目的が遠のいていくのではないかと危惧します。
2023.10.30 「いまココ」アプリ:山へ登るときの必須アプリとなりました。
最近、腰痛を患い、一人で山へ行くのが怖くなってきました。そんな時、ヤマレコの「いまココ」を思い出し、妻のスマホにセットし、近くの公園で動作確認をしたところ、妻は、家に居ながらにして私の動向を把握できるようになりました。
以降、山へ登るときの必須アプリとして、私はヤマレコアプリを使い、妻は「いまココ」アプリを使うようになりました。
YAMAPにしろGoogleMapにしろ、同様のことが行えるようですが、登る側は、スマホを機内モードにせず、或いは休憩時などにオンライン状態にして、こちらの居場所を連絡しておくことはとても重要なことと認識しました。
因みに、私は、スマホ2台持ちで山に登っています。最近は、格安の通信手段がでてきていますので、これを利用しない手はありません。
2024.10.25 晴 スーパー地形をiPhone編から統合。
2017.06.15 晴 hatakeyama